移転しました
http://greeco-channel.com/
最近の記事

2011年02月01日

副変速機を含めたギヤ比について


ギヤ比(減速比、変速比とも)について語るには各ギヤのギヤ比とファイナルギヤのギヤ比(終減速比)を元にグラフの一つでも作れば凡その傾向(加速重視か最高速重視か)が分かります。グラフの傾きが直角に近い、または各ギヤの離れ具合が小さければ低速型の加速重視、グラフの傾きが平行に近い、または大きく離れていれば高速型の最高速重視という感じです。しかしこれだけだと傾向が分かるだけで速度までは分かりません。

各ギヤとファイナルギヤのギヤ比にエンジン回転数とタイヤ直径の要素を加えると、その回転数における速度が分かるようになり、エンジン回転数の上限を設定すると各ギヤでの最高速度が分かるようになります。このときの最高速度は実際にその車で出せるかどうかではないことに注意が必要です。

エンジンの回転数 毎分3000回転
1速のギヤ比 3.000
(入力側の1回転を出力側で1/3回転に減速)
3000rpm×1/3=1000rpm
ファイナルギヤのギヤ比 4.000
(入力側の1回転を出力側で1/4回転に減速)
1000rpm×1/4=250rpm
タイヤの回転数は毎分250回転
タイヤの直径が80.3cmの場合
80.3cm×3.14×250rpm/min=63025cm/min
1分間あたり63025cm進む
単位をメートルに直すと630.25m/min
1分間あたり63025m進む
時速を出すために60を掛けると
630.25m×60min=37815m/h
1時間あたり37815m進む
単位をキロメートルに直すと37.815km/h
時速37.185km
例えばエンジン回転数を毎分3000回転、1速ギヤのギヤ比を3.000、ファイナルギヤのギヤ比を4.000としたとき、まず1速ギヤが毎分3000回転を毎分1000回転まで減速し、次にファイナルギヤが毎分1000回転を毎分250回転まで減速してタイヤを毎分250回転させます。

この毎分250回転というのはタイヤの直径に係わらず、とにかく回転するものですから速度を決めるのはタイヤの直径であり円周が鍵を握っています。FJクルーザーに装着される265/70R17のタイヤを例にすると直径は80.3cm、80.3cmの円周は円周率を3.14とすると252.1cmなのでタイヤが1回転するごとに車は252.1cmだけ進みます。毎分250回転するということは1分間あたり63025cm、単位をメートルに直すと毎分630.25m、1時間あたりでは37815m、キロメートルに直すと37.815kmとなって時速37.815kmというわけです。

もっと小さなタイヤ、例えば同じギヤ比と回転数で145/80R12のタイヤ(直径53.7cm)を装着しているならタイヤ1回転で168.6cmだけ進み、毎分250回すると1分間あたり42150cm、メートルに直すと毎分421.5m、1時間あたりでは25290mとなって時速25.29kmになる、と。

また、表にあるように1速ギヤとファイナルギヤのギヤ比が1を超えている場合は減速されますが、逆に1より小さい場合は増速されます。例えばエンジン回転数を毎分3000回転、ファイナルギヤも4.000のままでギヤ比だけを3.000(1:1/3)から0.500(1:2/1)にすると、入力側の3000回転は出力側で6000回転に増速、ファイナルギヤで1/4に減速されてタイヤは毎分1500回転するようになります。

イラストを元に説明できればまどろっこしい説明など不要で理解も抜群に深まることでしょうが、残念なことに絵心というものがまるでないのでどうにもなりません。ちょこざいなテーブルを作るだけで精一杯です。

さて、巷に良くある一般的なギヤ比についてはこのくらいにして本題に入ります。FJクルーザーやジムニー、パジェロミニ、エスクードといった本格的なSUV、クロスカントリー車には通常の変速機(変速ギヤとファイナルギヤ)の他に副変速機というものが付いており、HiレンジとLoレンジを切り替えることでギヤ比を任意に高くしたり低くしたりできるようになっています。


Hiレンジにして全体のギヤ比を高くすれば加速力や駆動力、つまりタイヤを回す力が弱くなる代わりにトップスピードが伸び、Loレンジではタイヤを回す力が強くなる代わりにトップスピードが伸びなくなります。例えば時速100kmで走行しているときHiレンジではエンジン回転数が低くなり、Loレンジでは高くなります。

例:FJクルーザーの場合
ギヤギヤ比
1速3.520
2速2.042
3速1.400
4速1.000
5速0.716
Hi1.000
Lo2.566
Final3.727
FJクルーザーを参考にすると、FJクルーザーは5段ATとファイナルギヤの間に副変速機を持っており、これはHiレンジのギヤ比は1.000(入力側の1回転に対して出力側も1回転、副変速機が存在しないのと同じ)、Loレンジのギヤ比は2.566(入力側の1回転を出力側で1/2.566回転に減速)となっています。Hiレンジは回転数を変化させないので気にする必要はありませんが、Loレンジでは各ギヤで減速された回転数をLoレンジで減速して、さらにファイナルギヤで減速します。

エンジンの回転数を毎分3000回転、3速ギヤ(1.400)、Hiレンジ(1.000)のときのタイヤの回転数を計算してみると、まず3速ギヤで3000回転が2143回転に減速され、Hiレンジは加減速されないのでスルー、ファイナルギヤで2143回転が575回転まで減速されます。一般的にはファイナルギヤの回転数=タイヤの回転数なので、3速ギヤで走行中のエンジン回転数が3000回転のときタイヤは毎分575回転していることになります。これにタイヤの円周長を掛けると速度が分かります。

同じ条件でLoレンジの場合は3速ギヤで3000回転が2143回転に減速されるところまでは同じながらも、副変速機で2143回転が835回転に減速されて、さらにファイナルギヤで835回転が224回転まで減速されます。ちなみに、どう説明したらよいのやら見当も付かないのですがHiレンジでのタイヤの回転数をLoレンジのギヤ比で割ると、Loレンジでのタイヤの回転数になるようです。

余談になりますがタイヤの円周長の要素を加えた上で、これとは逆の計算をすると速度からエンジン回転数を計算することができます。時速÷60÷タイヤの円周長×ファイナルギヤのギヤ比×副変速機のギヤ比×任意のギヤのギヤ比で計算するのだと思うのですが、これをやると小数点以下の嵐になって頭が痛くなるので計算しません。算数は昔から大嫌いです。微分積分で挫折して以来、算数の一切合財を知らぬ存ぜぬで貫き通してきた過去はダテじゃありません。目が回ります。
【この記事のタグ】
TB URL posted by ぜつゆる | TrackBack(0)
【関連記事】
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。