移転しました
http://greeco-channel.com/
最近の記事

2011年01月26日

Mitsubishi: ミニカ, Minica (8代目) Part4

三菱: ミニカ, Minica (8代目) Part3の続きです。3G83型のシリンダーヘッドをチューニングのセオリー通りに加工したら次はシリンダーブロックです。3G83型はボア65.0mm、ストローク66.0mmの直列3気筒、このどこかで見たような組み合わせを目にしたことで妄想はさらに加速します。


軽自動車のエンジンを見比べてみる
3G83型のボアストロークが云々をやる前に、少しだけ軽自動車全般のエンジンについて見てみることにし、ついでに各社の660ccエンジンの表を作ってみました。


スズキダイハツ三菱ホンダスバル
気筒数3気筒4気筒3気筒4気筒3気筒4気筒3気筒4気筒
初搭載年201119941990200519901994200619901993200319901990
Eg型式R06AK6AF6AF6BKFEFJB3B203G834A30P07AE07AEN07
排気量(cc)658658657658658659659659657659658656658
内径(mm)64.068.065.065.063.068.061.065.465.060.071.066.056.0
行程(mm)68.260.466.049.670.460.556.465.466.058.355.464.066.8
BS比1.070.891.020.761.120.890.921.001.020.970.780.971.19

自動車のエンジン全般に言えることですが、近年に開発されるエンジンは燃費の向上に繋がる低回転域のトルクを重視する傾向にあるようで、つい先日に初搭載されたスズキのR06A型はボアストローク比が1.07、2005年に初搭載されたダイハツのKF型は1.12のロングストローク型、2006年に初搭載された三菱の3B20型は1.00のスクエア型で何かと融通が利くように設定されています。というか、三菱では伝統的にボアストローク比がスクエア型に近いエンジンを好む傾向にあるようです。

ただしホンダだけは例外のようで、2003年に初搭載されたP07A型がE07A型よりさらにショートストローク型へと振っていることから想像するに、ホンダでは同じ排気量ならエンジンの高さを低くできるショートストローク型のほうに利点があると考えているのかもしれません。と思ったら、軽自動車は常用回転数が高いので高回転域で効率の良いショートストローク型を採用した、という話のようです。なるほど。

過去にはショートストローク型(オーバースクエアとも)にして高回転域での効率とキレを重視した設計のエンジンが多くあり、例えば3気筒ならダイハツのEF型とスズキのK6A型は共にボア68.0mm、ストローク60.5mmでボアストローク比は0.89、4気筒ならダイハツのJB型は0.92、スズキのF6B型は0.76のショートストローク型となっていました。これらのショートストローク型エンジンは軒並み廃止されています。

同じ4気筒でもスバルのEN07型は軽自動車の排気量が660ccに拡大された当時、EN05型のボアを広げることができなかったのでやむを得ずストロークの延長だけで660cc化したそうなのですが、これが功を奏して現代でも通用する4気筒エンジンとして生き残ることができています。ボア56.0mm、ストローク66.8mmのEN07型はボアストローク比が1.19もあり、これを上回る数値のエンジンを探すほうが難しいほどです。

収拾が付かなくなりそうなので本題に戻します。3G83型ターボエンジンを作るつもりで書いていきますが、NAの場合でも圧縮比の高低、ピストンを基準にするならハイコンプかローコンプかに違いがあるくらいで作業的な違いはほとんどありません。


もっと!3G83型エンジン 〜シリンダーブロック編〜
ミニカの3G83型はボア65.0mm、ストローク66.0mm、ボアストローク比1.02で、これはスズキのF6A型と全く同じ数値です。ということはピストンピンの径とピンハイが同じならF6Aの鍛造ピストンをそのまま流用できるということで、少し違う程度であればピストンかコンロッドにブッシュを入れてどうにかします。ピンハイが違うならブッシュを変心させて調整するかピストンの頭を削ります。バルブリセスの位置が違うなら位置を拾って加工します。

どれもが丸っきり違って加工の余地もないようならワンオフで3G83型用の鍛造ピストンを作ってもらいます。さすがにピストン加工機は買えないし、そもそもプログラムを作るだけの能がありません。泣く泣く大金を払ってミニカチャレンジカップに耐え得るピストンを用意します。きっと目が飛び出るくらいの金額が必要なことでしょう。

いよいよ打つ手がなくなってどうしようもない場合は、せめてもの足掻きに3G83型のピストンピンが圧入式ならフルフローティングになるよう加工してみます。旋盤を使ってピストンピンを短くしたり、ピストンにピンの抜け止め用スナップリング(ピン?クリップ?)を入れる溝を掘ります。コンロッドの小端部に穴を開けて面を取り、ブッシュを入れるかどうかは状況次第で頑張ります。

最近のエンジンは可動部分の精度が一昔前とは比べ物にならないほど高くなっているので必要ないかもしれませんが、ピストンとピストンピン、コンロッドの重量合わせをやってみるのも一興です。この作業は上皿天秤でも可能ながら、どうせなら0.001グラムまで測定できる電子量りがオススメです。”正味1kg” と書かれた砂糖が本当に1kgあるか確認できたり、調味料の計量にも使えて何かと便利な一品です。

順番が前後しましたがシリンダーブロックの天面が歪んでいないかも確認し、歪んでいるようならフライスorマシニングで修正、シリンダーに傷があるようならホーニングをしてみて、もし取りきれなかったらオーバーサイズとして使えるピストンを用意して上記にあるような加工を施し、しつこいくらいに何度も何度もクリアランスを確認しながらボーリング&ホーニングに挑戦します。

オーバーサイズとして使えそうなピストンを軽自動車のエンジンの中から探してみる場合、例えば三菱の3B20型はボアが65.4mmなので3G83型のオーバーサイズとして手ごろなサイズであり、また都合の良いことにターボとNAが存在しています。メーカーが同じならピストンピンの径も同じ可能性が高いので見てみる価値はあります。

その他ではホンダのE07型がボア66.0mmでサイズ的には良い感じです。E07型にはE07Z型のターボ用ピストンもあるし、E07A型のNA用ならビートやトゥデイに使われているハイコンプピストンも視野に入ります。社外品のチューニング用ピストンまで含めれば3G83型をかなりの高圧縮比エンジンにすることも可能でありましょう。こういう妄想に花を咲かせられるのが競技専用車両の良いところであり、ベース車両が安いからこそ見られる夢です。


さて、ヘッドにしてもブロックにしても加工という加工を全て業者に頼むと家財道具一式を売り払うくらいのお金が掛かってしまい、”改造費用がミニカの新車価格を超えないこと” というミニカチャレンジカップのレギュレーションに違反してしまいます。費用を他に回すためにも、ここはぜひ工作機械を買ってきて自分で挑戦してみましょう。趣味のガレージを作るための第一歩です。

あとで追記するかも分かりませんが、とりあえずヘッドとブロック周りが完成したら組み立ててみます。締め付けトルクの管理は大切ですし、「ネジが1本あまった!!でもどこのネジか分からん!!!」みたいなことになったら面倒なので三菱のディーラーへと足を運んでミニカの整備書を買ってきましょう。まあ、基本的に部品というものは付くようにしか付かないので迷うことはないと思います。

エンジンが組み上がったらミッションと連結してミニカに載せ、逸る気持ちを抑えるのに苦労しながらエンジンに火を入れて異音&液漏れのチェックをします。聞くに堪えないほどガチャガチャいうならどこかのクリアランスがおかしいか、ボルトが規定トルクで締まっていません。泣く思いをしながら再度降ろして各所を確認した後、一から組み直します。レース前日にこういうことはしたくないので早め早めの作業が肝心です。

次の記事では、上記の作業を経て作られた3G83型ターボがミニカの5MTと組み合わされたとき、どのような兼ね合いになるのかを見ていきます。ミニカ Part5の記事へ
【この記事のタグ】
TB URL posted by ぜつゆる | TrackBack(2)
【関連記事】
三菱: ミニカ, Minica (8代目) Part5
三菱: ミニカ, Minica (8代目) Part6
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。